10月14日は三連休の最終日、12日の火祭りの筋肉痛も収まり、清々しい秋晴れにも恵まれたので、急遽念願のプランを実行に移しました。

行先は蓮華温泉、糸魚川の山中にあります。まさしく糸魚川静岡構造線の発端部分です。
山懐に抱かれた秘湯中の秘湯、日本秘湯を守る会の創設者故岩木一二三氏が訪れて会の発足を決意したという所です。

大町から国道147号線を糸魚川へ、
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小谷から新潟県に入ります。
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平岩駅方面へ右折し、
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ここから蓮華温泉まで22km、
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この辺りまでは来たことがありますが急傾斜です。
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木地屋民俗資料館を過ぎ、
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林道白池線は工事中、
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崩落地を過ぎ、
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木漏れ日の中、急傾斜を登っていきます。
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この頃は明暗を繰り返す木漏れ日の道が苦手になってきました。
目の水晶体の反応が老化によって衰えてきたようです。

白池、その隣には小さな五月池もあります。
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ビワ平からの眺望
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左手奥が白馬岳、
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正面が雪倉岳?
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そして朝日岳
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ここからのゲートは厳重です。
このゲートが開いているのは6月下旬から10月下旬まで。来週末で閉鎖になるようです。
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夢見平
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ヤッホー平
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を過ぎ、木々の色も鮮やかになってきました。
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蓮華温泉到着、松本から4時間弱もかかりました。
停めきれない車が多く路上駐車も数多。
そこへいくとバイクは楽です、自動車の隙間にスィーと停められます。
徒歩5分で蓮華温泉ロッジ、
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日帰り入浴料は800円、野天風呂だけだったら500円です。
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案内の周辺図を見るといかに山深い山中かが分かります。
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野天風呂は4か所、時計回りで三国一の湯⇒仙気の湯⇒薬師湯⇒黄金湯の順番で周ります。
そして最後がロッジの内湯(総湯)へ、
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かなりな急坂を三国一の湯へ、
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小さな三国一の湯、二人で一杯になります。
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前の人が入浴中、女性が通りかかったのでためらいましたが私も意を決して裸に、でも脱いだ服を置く場所もありません。入浴時間30秒、

仙気の湯へも急坂、
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ここが源泉地帯、湯気が立ち上り、
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ブクブクと湯が沸きだしています。
手を入れると80℃くらいか、かなり熱いです。
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仙気の湯脇には薬師湯への注意事項が
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女性が入っている場合は男性禁制です。
今女性が入っているようです、なので仙気の湯で男性が渋滞中。
それにしても良いロケーション最高です!
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女性が降りてくると入浴中の男性が揃って服を着はじめ、薬師湯へ登っていきます。
中には上半身裸の人も、
私も仙気の湯滞在30秒で服を着て登ります。
薬師湯の目線から栂海新道のスカイラインが一望。
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これが薬師湯、
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今度は降って黄金湯へ、
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黄金湯は草むらの中、でも視線の先には登山道が通っています。
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(野天風呂の皆さんには写真撮影の許可を頂きました)

ロッジに戻って総湯へ、ここは10人以上の方が入っていたので写真は遠慮。
分析表
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源泉温度80,6℃、PH3,3と強酸性です。

ロッジの食事はうどん、牛丼、カレーくらい。
私はうどん600円を頼んでコンビニの手巻き寿司やコロッケと頂きました。
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高原で食べる風呂後の食事は美味い。

帰りはもちろん木地屋民俗資料館へ、
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木地師とは全国の山林を巡り、木こりや木工品を作る人。
ここにはどんな展示があるか?

伐採用ののこぎり、
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用途によって歯のつけ方も違ってきます。
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重要有形民俗文化財指定書
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そして木地屋支配組織「氏子狩り」、
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滋賀県の山中にある木地師発祥の地から全国の木地師を支配する組織があり、それらを介して全国の山林を渡り歩き木工の原料になる栃の木伐採を許されるというもの。

そのための証文、
織田信長(丹羽長秀)
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豊臣秀吉(増田右衛門)
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正親町天皇綸旨、
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朱雀天皇綸旨
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など古文書数々、

ここの木地師が進んでいたのは、木を刈り木工品を作るだけでなく、越中の魚津で漆塗りの技法を学んで、自ら漆器を作ってしまうこと。
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立派な漆器一式が置かれています。

極めて珍しいテビキロクロ、
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大正時代からは水車ロクロも開発されました。
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水車ロクロの仕組み、
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2階に登ってみて感心したのは自動回転風呂、風呂とはいってもお湯につかるお風呂ではありません。
それまでは木材を器に加工するまでを担っていたここの木地師が、大正時代に魚津から漆器の蒔絵技法を導入し、その漆器乾燥をするために作ったものです。その絡繰りの歯車が見て取れます。
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漆器乾燥もそれまでは器を手返ししていたものを、手間を省くために3階の天井に滑車を設置し
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ゼンマイ時計を使った絡繰りの仕組みがそのまま残されています。

また3階は民具の宝庫でもありました。
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1階の囲炉裏も、囲炉裏定番の自在鉤がなく大きなゴトクを置いて、大鍋に材料を入れても安定した煮炊きができるようになっています。
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天井にも普通の民家にはない竹のすのこをひいてあり、
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下地塗りした木地をかごに入れ乾燥させる場所にしています。
また、この地の木地師は小椋という姓を名乗っていて、私の高校時代の同級生にも親が木工をしている人がいましたが、小椋佳やバトミントンで名をはせたオグシオの小椋久美子も祖先は木地師をしていたのではないか、ということです。

小さな資料館ですが見どころはたくさんあります。
また本来は全国の山野を巡る木地師がこの地に定住し、その中で暮らし続けるための工夫のあれこれに思いを巡らせることも興味深いことです。
とはいっても既に2時過ぎ、暗くなるまでに家に帰らねば寒くなります。

ということで今日はお終い。
小谷の大網峠も行ってみたかったのですがこれで帰ります。

家にたどり着いたのは6時前、秋の日は暮れるのも早くとっぷりと夕闇に包まれていました。
この日のルートは
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走行距離は218km。1日で周るにはちょうど良さげな距離でした。