昨日映画を見てきました。
信州野鳥の会がひらく公開講座「野鳥と文化を考える」
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映画は「鳥の道を越えて」
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私も以前から興味をもっていた「鳥屋」(とや)を主題にした、まだ若い監督今井友樹さん(39歳)が幼いころ、祖父から聞いた「あの山の向こうに鳥の道があった」という言葉を確かめるというドキュメント映画です。

鳥屋とは? 戦前から戦後にかけて岐阜の東濃地方から木曽路、そして中信に至る冬の渡り鳥の通り道に点在した、野鳥をカスミ網で捕え、それを調理したりそのまま売ったりしていた生業がありました。
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昭和22年にGHQの命令で違法とされましたが、その後も密かに続けていた人がいました。

私が興味を持ったのは、東濃と中信で同じ食文化があったということ。戦後衰退したとはいえ、それは鳥を食べるということで、東濃では「鶏ちゃん」に、中信では「山賊焼」に転化したのでは? ということ。

食文化と言っても違法になっては存続できないもの。しかしそれを生業としていた多数の人々がいたこと、鳥屋を営むにも自然や野鳥に対しての細やかな経験や技法が存在していたこと、私の故郷=浅間温泉にも鳥屋が存在していたこと、私も登ったことがある三才山の戸谷峰も「鳥屋」と関連があるなど様々な勉強ができました。

何よりも大きな気づきは「鳥が好んで食べる木の実は鳥の腹の中を通って新たな土地で芽生え、そこが新たな鳥の道となった」ということです。自然の食物連鎖の新たな発見でした。