山々が雪に覆われる季節がやってきました。
また県内の目ぼしい峠も殆ど訪問し、これからどうしよう? と思案しているところです。
そんな中、ず~っと気がかりだったのが西側の県境(まさしく私の住んでいる中信地区に属している)で未踏破の峠がいくつもあること。
周知のように西の県境は、険阻で雄大な北アルプスや乗鞍岳、御嶽山、恵那山が境となっていて、車やバイクで通過できる峠は僅かです。また王滝村のように8月15日の大雨によって滝越地区に入れず県境へ接近できない場所もあります。
そこで一計、県内からアプローチできないなら岐阜県側から接近できないか⁉
そんな時、うってつけの本に出合いました。
ニホンカモシカとの出会いを記したこの本は、まさしく王滝村の向こう側=裏木曽が舞台です。
行きたいな! でも分からない信州の西側を描いていました。
そんな出会いもあった中で選んだのが奥飛騨の中尾峠、裏木曽の白巣峠、真弓峠です。
折角中尾峠に行くなら、私初の穂高岳にも登って見たいという野望?も抱きながら出発したのが11月13日。
一か月前の10月16日に奥飛騨の紅葉を見に行った際、新穂高ロープウエーの西穂高口駅で撮ってもらったショット。この日確かめたことは、ここからなら西穂高岳は目と鼻の先ということ。
この日は生憎雲が垂れこめ笠ヶ岳の頂上を展望できませんでしたが、今日は期待できそうです!
新穂高ロープウェイで
オー! 樹氷に覆われた千石尾根、雲も少し出ていますが、抜けるような青空も見えます。
西穂高口駅の標高は2156m、気温は―1度。1か月前より12度も低いです。
怪しげな雲が垂れこめてきました。積雪も20cm程はありそうな。
あまり無理をせず、登山届には西穂山荘→西穂独標までと記入し出発。
雪に備えて簡易アイゼンも持ってきたので慎重に靴へ装着。
ここより登山道、の標識に緊張が走ります。
こんな雪道
しかし頂はますます雲の中へ、
途中からは連続する急登に難儀します。顔は疲労困憊、生気がなくなってきます。
少しの段差にもつまづくようになる、足が上がらない。1時間20分ほどで西穂山荘が見えてきたときは心の底から「ホッ!」
ちょうど昼時、まずは温かい西穂味噌ラーメン、それと愛妻おにぎり。おにぎりは途中でエネルギー補給のため半分齧ってあります。
息子が誕生日に贈ってくれた保温ジャーのルイボスティーの温もりも心地よい。
山荘のトイレは分別式、大小を別の穴から、トイレットペーパーは備え付けのゴミ箱へ、高山のマナーですね。
ここから独標まではこの時期だと1時間半かかるとか。
残念ながらその気力も失せてしまいました。
ここで退却、ロープウエー駅へ戻ります。
途中まで降ると山々から雲が退き始めました。あと1時間早かったらな!
駅の鳥観図で自分の足跡を振り返ると僅かなものです。
西穂山荘までは約2km、標高差210m程。しかしこの距離と標高差、そして里山にはない山岳の厳しさを体験しました。
西穂山荘がくっきり見えます。
西穂高岳
奥穂高岳から槍ヶ岳までの連なりが圧巻です。
10月には見えなかった笠ヶ岳の山頂から堂々たる山容
笠ヶ岳に見守られながらロープウエーが降下します。
ロープウエーから2km程下ると中尾峠への分岐へ
峠へと上っていくと道端から噴気?
新穂高温泉中尾地区、数軒の旅館があります。
その先では何と! 焼岳の偉容が見えました。
更に上っていくと「地熱発電所を作っています」
なるほど、かなり大きな規模の発電所の建設真っ最中。
盛大な水蒸気が噴出されています。見学者らしい観光バスも止まっています。
そしてここで終点、この先が中尾峠でしょう。一応在処は確かめました。
蒲田川の対岸を上っていくとビューポイントが
右から南岳、中岳、大喰岳、そして言わずと知れた槍ヶ岳の眺望です。槍の穂先以外は松本から見えません。
そして今日の宿、新穂高温泉 旅館たにぐち。
こじんまりとした宿ですが露天風呂があります。
露天風呂「薬師の湯」
小さな浴場ですが一人には十分、登山?の疲れも癒されました。
夕飯も素朴ですが、岩魚の一本造りの刺身は新鮮です。また陶板焼きは飛騨牛。
この写真にはありませんが、天ぷらと虹鱒の塩焼きも出ました。私には十分。
この日のフィールド
翌14日は高山から下呂を通って加子母から付知を経て木曽路から帰る予定です。
新穂高温泉から平湯へ、
ここからは乗鞍へも行けますが
やっぱり無理ですね、冬季通行止め。
高山から下呂へ
高山名物、宮川の朝市
国道41号線を下呂へ
そして下呂で国道257号線に分岐し舞台峠、標高629m。
飛騨と美濃の国境
実際の峠です、ここからは中津川市、そして加子母に入ります。
「かしも産直市」
目についたのが朴葉寿司
4種類もあります。そのうち一つは完売、もう一つも1個しか残っていません。その1個と草餅、そして栗を買って、
朴葉寿司を昼食に
バランスが取れた素朴な味で満足でした。
次は付知です。
ここ付知には苦い思い出があります。
免許取りたての18歳の時、松本でわき見運転(愛犬が後席で騒いだため)をしていて、前の車に突っ込んでおかまを掘ってしまいました。相手も若いカップル、車のリアがベッコリとへこみ、男性の方がむち打ち症になって、お詫びとお見舞いのために行ったことがありますが、その道のりの遠かったこと。初めての交通事故の思い出です。
ありました左付知峡! これぞ白巣峠や真弓峠への入り口のはず。
県道486号線、王滝加子母付知線。間違いありません、それもただの林道ではなく県道のようです。
渡合温泉方面へ
先の分岐も左へ
だんだん心細い道になってきました。
高樽の滝、この滝の上流に真弓峠があるはずです。
この先は舗装路がダートに、
しかしその先には立派な橋も架かっています。「西俣本谷 しでのき大橋」
立派な橋を二つ渡った先には渡合ランプ村
現在は無住のようですが壁に貼ってあった地図には
白巣峠が載っています、おまけに木曾越峠? 未知の峠ですが信州の峠ではないようです。
アップで撮影
王滝村へつながっています。
ここを右へ上っていけば白巣峠ですが、ここと真弓峠は来春のお楽しみにしておきます。是非バイクで来たいものです、木曾の王滝村まで抜けられるか?
今日の目的地は渡合温泉、
国道257号線の分岐から10km以上も奥まった温泉です。ここまでは電気も来ていないそうですのでここもランプの宿、ここに一泊して峠を目指すのも面白そうです。
さあ時刻も3時過ぎ、家路を急ぎましょう。
坂下から国道19号線へと向かい
賤母からは木曽路
長野県に入ってやっと「ホッ」としました。
付知峡、白巣峠や真弓峠です。
また県内の目ぼしい峠も殆ど訪問し、これからどうしよう? と思案しているところです。
そんな中、ず~っと気がかりだったのが西側の県境(まさしく私の住んでいる中信地区に属している)で未踏破の峠がいくつもあること。
周知のように西の県境は、険阻で雄大な北アルプスや乗鞍岳、御嶽山、恵那山が境となっていて、車やバイクで通過できる峠は僅かです。また王滝村のように8月15日の大雨によって滝越地区に入れず県境へ接近できない場所もあります。
そこで一計、県内からアプローチできないなら岐阜県側から接近できないか⁉
そんな時、うってつけの本に出合いました。
ニホンカモシカとの出会いを記したこの本は、まさしく王滝村の向こう側=裏木曽が舞台です。
行きたいな! でも分からない信州の西側を描いていました。
そんな出会いもあった中で選んだのが奥飛騨の中尾峠、裏木曽の白巣峠、真弓峠です。
折角中尾峠に行くなら、私初の穂高岳にも登って見たいという野望?も抱きながら出発したのが11月13日。
一か月前の10月16日に奥飛騨の紅葉を見に行った際、新穂高ロープウエーの西穂高口駅で撮ってもらったショット。この日確かめたことは、ここからなら西穂高岳は目と鼻の先ということ。
この日は生憎雲が垂れこめ笠ヶ岳の頂上を展望できませんでしたが、今日は期待できそうです!
新穂高ロープウェイで
オー! 樹氷に覆われた千石尾根、雲も少し出ていますが、抜けるような青空も見えます。
西穂高口駅の標高は2156m、気温は―1度。1か月前より12度も低いです。
怪しげな雲が垂れこめてきました。積雪も20cm程はありそうな。
あまり無理をせず、登山届には西穂山荘→西穂独標までと記入し出発。
雪に備えて簡易アイゼンも持ってきたので慎重に靴へ装着。
ここより登山道、の標識に緊張が走ります。
こんな雪道
しかし頂はますます雲の中へ、
途中からは連続する急登に難儀します。顔は疲労困憊、生気がなくなってきます。
少しの段差にもつまづくようになる、足が上がらない。1時間20分ほどで西穂山荘が見えてきたときは心の底から「ホッ!」
ちょうど昼時、まずは温かい西穂味噌ラーメン、それと愛妻おにぎり。おにぎりは途中でエネルギー補給のため半分齧ってあります。
息子が誕生日に贈ってくれた保温ジャーのルイボスティーの温もりも心地よい。
山荘のトイレは分別式、大小を別の穴から、トイレットペーパーは備え付けのゴミ箱へ、高山のマナーですね。
ここから独標まではこの時期だと1時間半かかるとか。
残念ながらその気力も失せてしまいました。
ここで退却、ロープウエー駅へ戻ります。
途中まで降ると山々から雲が退き始めました。あと1時間早かったらな!
駅の鳥観図で自分の足跡を振り返ると僅かなものです。
西穂山荘までは約2km、標高差210m程。しかしこの距離と標高差、そして里山にはない山岳の厳しさを体験しました。
西穂山荘がくっきり見えます。
西穂高岳
奥穂高岳から槍ヶ岳までの連なりが圧巻です。
10月には見えなかった笠ヶ岳の山頂から堂々たる山容
笠ヶ岳に見守られながらロープウエーが降下します。
ロープウエーから2km程下ると中尾峠への分岐へ
峠へと上っていくと道端から噴気?
新穂高温泉中尾地区、数軒の旅館があります。
その先では何と! 焼岳の偉容が見えました。
更に上っていくと「地熱発電所を作っています」
なるほど、かなり大きな規模の発電所の建設真っ最中。
盛大な水蒸気が噴出されています。見学者らしい観光バスも止まっています。
そしてここで終点、この先が中尾峠でしょう。一応在処は確かめました。
蒲田川の対岸を上っていくとビューポイントが
右から南岳、中岳、大喰岳、そして言わずと知れた槍ヶ岳の眺望です。槍の穂先以外は松本から見えません。
そして今日の宿、新穂高温泉 旅館たにぐち。
こじんまりとした宿ですが露天風呂があります。
露天風呂「薬師の湯」
小さな浴場ですが一人には十分、登山?の疲れも癒されました。
夕飯も素朴ですが、岩魚の一本造りの刺身は新鮮です。また陶板焼きは飛騨牛。
この写真にはありませんが、天ぷらと虹鱒の塩焼きも出ました。私には十分。
この日のフィールド
翌14日は高山から下呂を通って加子母から付知を経て木曽路から帰る予定です。
新穂高温泉から平湯へ、
ここからは乗鞍へも行けますが
やっぱり無理ですね、冬季通行止め。
高山から下呂へ
高山名物、宮川の朝市
国道41号線を下呂へ
そして下呂で国道257号線に分岐し舞台峠、標高629m。
飛騨と美濃の国境
実際の峠です、ここからは中津川市、そして加子母に入ります。
「かしも産直市」
目についたのが朴葉寿司
4種類もあります。そのうち一つは完売、もう一つも1個しか残っていません。その1個と草餅、そして栗を買って、
朴葉寿司を昼食に
バランスが取れた素朴な味で満足でした。
次は付知です。
ここ付知には苦い思い出があります。
免許取りたての18歳の時、松本でわき見運転(愛犬が後席で騒いだため)をしていて、前の車に突っ込んでおかまを掘ってしまいました。相手も若いカップル、車のリアがベッコリとへこみ、男性の方がむち打ち症になって、お詫びとお見舞いのために行ったことがありますが、その道のりの遠かったこと。初めての交通事故の思い出です。
ありました左付知峡! これぞ白巣峠や真弓峠への入り口のはず。
県道486号線、王滝加子母付知線。間違いありません、それもただの林道ではなく県道のようです。
渡合温泉方面へ
先の分岐も左へ
だんだん心細い道になってきました。
高樽の滝、この滝の上流に真弓峠があるはずです。
この先は舗装路がダートに、
しかしその先には立派な橋も架かっています。「西俣本谷 しでのき大橋」
立派な橋を二つ渡った先には渡合ランプ村
現在は無住のようですが壁に貼ってあった地図には
白巣峠が載っています、おまけに木曾越峠? 未知の峠ですが信州の峠ではないようです。
アップで撮影
王滝村へつながっています。
ここを右へ上っていけば白巣峠ですが、ここと真弓峠は来春のお楽しみにしておきます。是非バイクで来たいものです、木曾の王滝村まで抜けられるか?
今日の目的地は渡合温泉、
国道257号線の分岐から10km以上も奥まった温泉です。ここまでは電気も来ていないそうですのでここもランプの宿、ここに一泊して峠を目指すのも面白そうです。
さあ時刻も3時過ぎ、家路を急ぎましょう。
坂下から国道19号線へと向かい
賤母からは木曽路
長野県に入ってやっと「ホッ」としました。
付知峡、白巣峠や真弓峠です。